Zinnia hacks tomorrow. (2012/6)

2012/06/01 (Fri)

_ 先月は滅茶苦茶な1ヶ月だった。これからしばらく無茶苦茶な日々が続きそうだ。


= ハイドロコロイド

_ 皮膚の痒みのほうで試してみた。 貼る直前は、痒みのあるところは皮膚がかさかさになっていて、 ひっかいたところは傷になっているという状況。

_ 傷口がないと効果を発揮しないということに気付いた。 ひっかいているところはふくれてくるが、それ以外のところは何事もない。 基本かさかさなので、ワセリン湿布のような感じで 対応したほうがいいのかもしれない。

_ 悪化の徴候がなければ5日くらいつけっぱなしでもいいらしいが、 かさかさの肌に貼っているのでどうも周辺部が剥がれやすい。 そのまま一気に全部剥がれちゃうというほどではないけども。


2012/06/02 (Sat)


= ハイドロコロイド その後

_ 膨れてないところは縮んでくるらしい。そうなると接着剤のせいか周辺が痒くなる。 ちょっとたまらんので剥がしてしまった。

_ ガーゼつきパッドにワセリンつけて放置、に方針転換。でもダイソーで買った パッドは粘着力が弱いので耐久性がない。長もちさせるにはガーゼと包帯かなあ?

_ それにしてもやはり皮膚の問題をどうにかしようと思うと、痒いところだけを どうにかしようと思ってもどうにもならない気がする。痒みの原因が reproduceされる限り、皮膚がおさまっても結局次の痒みが襲ってくるだけのような。


= ロボット (音あり注意)

_ Rajnikanth様! これは見たいな。完全版は3時間になるらしい。 さすがインド映画は長い。

_ Muthuを見たのは...記録によると 1998/09/12(福島)と1998/09/22(山形)だったらしい。 フィルムの移動を追っかけて見ていたのだった。もう14年前なのか...


2012/06/05 (Tue)

_ Excel2010とかPowerPoint2010とか使っているとバッカンバッカン落ちるので 困っている。SKKIMEを疑っていたが、xkeymacsの方みたいだ。 どうもxkeymacsでコピペを急にやろうとすると落ちるらしい。 コピーしてからひと呼吸してペーストすると問題ない。が、そんなことは すぐ忘れるのでOfficeにはxkeymacsを無効にしたほうがいいのかなと思った。


= つながり〜ネットワークの驚くべき力

_ 個人や人間関係だけではなく、人間関係が作るネットワークの、 その構造が持つ力というのが過去あまり注目されていなかったけど そこには大きな力があるんだよ、という話。最近の流行のような気もする。


2012/06/09 (Sat)


= チワワ×ダックス

_ 「プチ預かり」らしい。仮名はジョン。 なかなか兇暴だという触れこみでやってきたが、引出されてから多少落ち着いたのか、 触るもの皆傷つけるという感じではなく、普段は懐っこい可愛らしいチワワだ。 夜もおとなしくフトンで一緒に寝ることができる。 ただ、たしかに何かのきっかけでスイッチが入るらしく、 唸ったり噛みつこうとしたり、高速で走りだしたりすることがある。 強く叱れば無理に襲ってきたりするということはないようだ。

_ トイレはきちんと理解できているようで、決まった場所でしかしない。 お手→おかわり→伏せのコンボもできるし、かなり躾はきちんとできているようだ。 そのくせ興奮すると噛もうとするのでよくわからないな。 拾い喰いはけっこうする。卓袱台の上にあるペットボトルをひきずり出して 遊んだりもする。犬は普通こういうもんかもしれないが、 わんた、つぼみ、ロッタ、サン(メイ子)、鈴(もみじ)、シロ(くるみ)、クマ(テコ)、 コパンいずれもそのようなことをしないのでうちでは珍しいほうだ。

_ 動物には興味津々のはずのコパンはジョンからは逃げる。元気よすぎて逆に怖いらしい。 つぼみはあんまり興味がないようで、基本相手にしていないが、 無理に近づいてくると怒る。 ジョンもつぼみ/コパンにはさほど興味がないようだ。つぼみには何度か怒られたので 怖がっているらしい。

_ 何やら団体の中でこの犬の処遇についてかなり揉めたらしく、うちに 来るまではどこも悪くないのに病院で預かってもらっていたらしい(有料)。 「プチ預かり」として始めて1〜2週間で本預かりか里親を探すということだけど、 金払っててそんな為体の人達が約束を守るとはとても思えん (約束したかどうかも知らんが)。


= 自転車

_ 明日は90kmほど走る予定。今まで最高でも70kmというところだし ここのところまったく自転車に乗っていないので自信がない。(とくに尻)

_ 出発が朝6時なのでその前に大量にめしを喰う気にもなれないし、 補給をどうしたものかと思う。2000kcalくらいは消費することになるらしい。 「自転車 補給」で調べてみると、100kmまでなら補給なしだよ! という話が けっこうあって驚く。昨今の走りっぷりだと15km/hというところなので、 90kmは6時間。その間補給なしというのはさすがに無理だと思う。

_

という感じらしい。 どうやらバナナはチェックポイントでもらえるらしい。 ちなみに糖質制限はまだ続いている。 糖質制限を続けていると身体のエネルギーの使われかたが変わるそうで、 でもまだ1ヶ月程度なので何かが変わったという気はしない。

_ 途中で補給しながらと思うと 1時間あたり400kcalくらいとらなきゃいけないので、とてもおっつかない。 ある程度は事前にとっておいて、不足しないように適宜補給するというのが 正しい姿のように見える。

_ 朝めしはどうしたもんかな。 カロリーメイトとかは言うほどカロリーがないので大量に食べるのは難しい。 低GI、高カロリーというとナッツ類、チーズが思い浮かぶけど、 消化に悪いから運動前にあんまり大量に摂るのはどうかと思う。


2012/06/11 (Mon)


= 霞が浦サイクリング大会

_ 行ってきた。5時間ほどで90km。

_ メッセンジャーバッグに食べるもの入れて持ってゆこうとしたら、余計に 疲れるからやめとけと皆に止められて、食料持たずに走った。 会場に到着してすぐに軽く食べて、チェックポイント2個所でバナナと スポーツドリンクを摂取して、あとはゴールまで補給なしだったがなんとかなった。 はらぺこになるということはなくて、でも身体に力が入らず、惰性で漕ぐのは 問題ないけど坂道とかがかなり辛いという状態が後半続いた。これは空腹とは 連動しないのか。

_ あとはあいかわらず尻の痛さに悩まされた。尻をかばうと姿勢がおかしくなり、 他が痛くなって、さらに疲れやすくなって...という悪循環な気がする。 尻の問題(KIP)と、力を失ってゆく問題を解決できればいくらでも走ることが できそうなんだけど、この2点が残っているとどうも楽しめない。二度と乗るか! というほど辛いわけでもないし、悩ましい。

_ 思いの他天気がよくてものすごい日焼けした。腕の一部分だけ真赤に。


2012/06/12 (Tue)

_ 1回休み。筋肉痛はないが肩と首が凝っている。


= 将来の希望ゼロでもチカラがみなぎってくる63の気づき

_ 20代の支持を集めているらしい。以下、読む前の、タイトルだけを見たときの 感想を書く。

_ 最初にタイトルを見たときの印象は、おかしいだろ、それ、だった。思い込みで どうにかするという感じの本なのか?と思った。

_ 将来の希望を失う状態については、〜〜であるべき、であるとか、〜〜であってほしい、 といったことが裏切られる経験の連続から来るものだと想像した。 なので、前提や当然と思われるものを疑ったり否定して、 価値観を揺さぶるといったやりかたになるのかな、と予想。

_ まあこの程度の考察を元に自信満々に書くだけなら誰だってできるわけで、 それが反発や黙殺ではなく支持を集めるというからにはそれなりの理由が あるんだろう、と思って期待して読み始めた。(もちろんターゲットとなる 読者層に自分が含まれていないことは自覚している)

_ 読んだ後の感想。比較的まともなことしか書いていない(一部 毒にも薬にも...という感があるものも)。 もちろん上記のような手口も見られるものの、勢い込んで読んだのが 恥ずかしくなるくらいまともだった。タイトルに負けているというか、 ぶちあげたものに正面から挑んでいる感じがしない。 ここに挙げられたQが「将来の希望ゼロ」から生まれるものには見えないし、 Aが「チカラがみなぎってくる」とも思えない。

_ 支持を集めている理由が掴めなかった。が、事実としてそうであるなら、 それなりの理由があるんだろうなあ... と不思議な読後感(本の感想になっていない)。 相手に響くような語り口とかそういうものがあるんだろうな。


= 氷菓

_ 「氷菓」というタイトルのアニメがあるらしく、変わった名前だなあと思いつつ Wikipediaを見てみたら、 ミステリが原作と知って興味を持ったので借りてみた。 大事件が起きるわけでもなく(過去はともかく)、淡々と小さな謎が続いて気付いたら 「古典部」の過去の大きなエピソードにつきあたる、という構成はなかなか 面白かった。最初は肌に合わないかな...?と心配したけど、200ページ程度ということも あって一気に読み進めてしまった。

_ どうやらシリーズものらしいので続きも読んでみる予定。


2012/06/13 (Wed)


= nfcpy

_ libnfcには愛想が尽きつつあるのでnfcpyをメインでいじっている。 C#のアプリケーションとの連動も IronPython を使えば大丈夫だろう...と思ったらうまくいかなかった。

_ 現時点で分かっているのは、

といった感じだ。PyUSB 1.0であればもう少しやりようがある気がするんだけど、 0.4.3だと打つ手が見つからない状態。


= libnfc

_ やむなくlibnfcに戻る。以前のバージョンではWindowsだとTarget Modeが 期待通りに動かなかったので、libusb-win32といっしょにバージョンアップを試みた。

_ 今回は横着せずにCMakeを使った。なるほどかなり楽だった (まったくトラブルなしというわけにはいかなかったけど)。 で以前作ったtarget modeで動くサンプルアプリを移植。予想以上に大量の コンパイルエラーが。 1.5.1からさらにいろいろ変わったらしい。 ひっかかったのは以下のようなところ:

最後の2つはともかく、よくここまで互換性をぶちこわしにする変更を次々と 出来るもんだと変な感動を覚える。あとlog4c使うのもやめたらしい。


= 湿潤療法本3冊

_

1冊目は説明が情緒的ではあるがイラストも多く分かりやすい。 2冊目が自分にはちょうどよかった気がする。

_ 覚えている限りを箇条書すると、

_ で、ワセリンラップのやりかたをようやく理解した。 適当なサイズに切ったラップにワセリンを塗って、貼って、テープで止めて、 包帯を巻くというものらしい。ラップをぐるぐる巻きにするもんだと思っていた。 患部ではなくラップ側にワセリンを塗るのは、患部に塗ると痛いからだろう。 特に痛みがないときは直接患部に塗ってもよい気がした。

_ 「プラスモイスト」は著者が開発した製品なのか。気になっているので機会があったら 一度試してみたいと思う。


= 湿潤療法

_ なお、湿潤療法というのは別に目新しい話でもないらしい。実際私が子供のときに これに似た話を同級生から聞いたことがあるのを今でも覚えている。 私が傷口にバンドエイドを貼ろうとしたときに、 ここ(ガーゼのついている面)じゃなくてこっち(粘着面)を傷口に貼ったほうがいいのだ、 なぜならガーゼがついている面だと傷口が乾燥して治りが遅くなるからだ、と、 (同級生の)兄から聞いた、ということを言われた。 粘着面に傷口ついたら痛いし剥がすとき大変じゃないかと思いつつ、 そうですかそうですかと聞き流していたのだが(そもそもその同級生は あんまり好きじゃなかったというのもある)、ここで言われた説明は 湿潤療法そのものだ。(まあ粘着面を傷口に貼るのはどうかと思うけど)

_ また、キズパワーパッドみたいな絆創膏も、ここ数年できたものではなく、 実はもう10年以上前からあるらしい。これは知らなかった。

_ で、湿潤療法の本を読んだ勢いで、早速 痒みに対して試してみたのだが続かなかった。ワセリンラップの効果は確かにあって、 貼っている間は痒みをほとんど感じなくなる。不思議なもんだ。 でもこの季節は1日2回貼りなおしていてもアセモがひどく、またラップを固定する テーピングにかぶれてくる。たまらず1日休ませようと思ったら痒みが復活して 掻いてしまい、直りかけの肌をまた傷つけてしまった。元の木阿弥だった。 プラスモイストなら結果は変わったのかもしれないけどワセリンラップと比べると やはり高い。

_ しょうがないのでワセリンを薄く塗るのを1日何回も繰返すというものに 方針を変えてみた。これでも日中の痒みはそれなりにコントロールできている。 ただ服が汚れがちなのと、塗りなおすときにやはり痒みが。 夏井氏のサイトの説明だと、ワックスがけみたいに拭きとっても効果はあるようで、 服の汚れはそれである程度解決できるものの、刺激があればやはり痒い。

_ 一方、先日の日焼けがかなりひどく、寝返り打つだけで痛くて目が覚めるような 有様だったので、こちらでも試してみた。2日ほどやったらだいぶ楽になった。 本来、効果を試すためには片腕だけ実施して 直り具合の差分をとらなければいけないが、片方だけ痛いままなのも嫌なので両方 やってしまった。少なくとも衣服等にこすれて痛いということはないので、 それだけでも随分違う。

_ しかし横着して1日1回の貼りかえにしたせいか2日でかぶれた。 かぶれは貼るのをやめればじきに解消するのは分かっているのであまり気にしない。 もともと2日でやめるつもりだったし... ひりひりした痛みはだいぶなくなった。


2012/06/14 (Thu)

_ 自分で勝手に話をややこしくしておきながら、 この仕事は〜を〜するだけの簡単な仕事です (つまりもっとすんなり終わるはずだった)などとよく言えたもんだと思う。


= libnfc

_ ようやく動くようになった。以前の環境がきちんと残っていなくて、 だいぶ記憶が薄れてしまっていたので余計な苦労があった。 当時触っていたのは1.5.0ではなくて当時のtrunkのソースだったので、 まず自分がどのrevisionをいじっていたのかを知るのに苦労した。 ZHT見てようやくこのあたりかなと分かった次第だが、自分がいじったソースの commit logに最後に対応したrevisionがしっかり書いてあった。 未来の自分がきっと困るであろうと用心して書いたんだと思うが 未来の自分は過去の自分が思っていたより迂闊で、なおかつ過去の自分のことを あてにしていないことが分かる。人生の機微ですね(どこが)

_ 古いバージョンと比較できるようになったのでパラメータ等を確認しつつ ひととおり対応をして動くようになった。 nfc_deviceがopaqueになったり、chipsの中の関数や定数を 参照しづらくなっており(libnfcの役割を考えれば当然だけど)、 でもnfc_target_initがそのまま使えるわけではないことには違いないので、 1つAPIを追加しておくことにした。 Windowsでも動作する。

_ ただあいかわらず不安定。10回試して1〜2回成功するかどうかという程度。 これはロジックにも問題があるのかもしれない。 また、TgInitAsTargetの戻りを見ると、Modeが0x21(424kbps、Active)で 帰ってくるのがほとんどで、たまにうっかり0x22(424kbps、FeliCa)が 飛んでくるという感じなので、NFCID3tagを投げようと思うと、 その「うっかり飛んでくる」ときまで待たなければいけないため、かざしてもなかなか 認識してくれない。

_ もっともこれはデフォルトの動作でTypeAとFeliCaのDiscoveryを順番にしている ときだけの問題だとは思う。アプリがきちんと指定してかざし待ちにすれば そういうことは起きない...はず。なので明日試してみようと思う。 そもそもTypeAのポーリングに反応しないようにTgInitAsTargetを 指定できればいいのだが、適切なパラメータが分かっていない。 Mifare ParameretsをオールゼロにするとApplication Level Errorで 受け付けてくれない。


2012/06/16 (Sat)


= 浅草弾左衛門

_ 弾左衛門は、穢多頭の名前。 穢多頭は世襲の地位で、代々「弾左衛門」を名乗っているらしい (後藤庄三郎みたいなもんだろう)。 この本では、最後の弾左衛門である13代の直樹が中心になっている。

_ かなり面白かった。「幕末もの」として今まで読んできた中でも群を抜いて 面白かった。庶民の、さらに被差別民の視点から江戸〜明治の混乱を見るというのは 今まで読んできたどの本にもなかったことなので、驚きの連続だった。

_ 3篇に分かれており、それぞれ、1. 幼少〜弾左衛門になった直後まで、 2. 明治維新直前まで、3. 維新後というような時系列になっている。 1と2は、どちらかというと弾左衛門の影は薄く、弾左衛門の同郷の友人である 「余」の人物像や彼の周囲で起こる事件の方がよほど目を引くという印象。 3については、あらかじめ資料を読んで 行く末を知っていたので、あまり盛り上がりのない感じで進むのかなという 予想は外れて俄然面白くなった。それにつられて、1〜2のときの余の活躍ぶりが、 逆に直樹の立場や苦悩をあぶり出してきているなあと思えるようになった。 最後の最後もかなり切ない。

_ 途中、かなりグロいシーンやショッキングなシーンもあり、全体的に 清潔とはとても言えない描写が出てくるし、文章もあんまりこなれてないというか、 妙な言いまわしが鼻につく感はあるものの、やはり扱っている内容の迫力が すばらしいので、それらは気になったとしても小さな問題だった。 戦国〜江戸〜明治の歴史の影で、武士や貴族階級の間、あるいは同じ被差別階級の 間と常に緊張関係を保ちながら生きてきた人達がいて、表の?歴史には 出てこない世界を築いているということ自体が新鮮な驚きだ。おすすめ。


= 愚者のエンドロール

_ 面白かったけど後味はあまりよくない。

_ 以下ねたばれ注意。(飛ばす)

_ 話の流れに不満があるわけではなく、むしろ今の時世の本格というのは こういうやりかたもあるのか、と目から鱗が落ちた気分。舞台装置を凝って 館ものにしたり、凄惨な殺人事件を起こさなくも本格ができるんだなという感動がある。

_ いかにも本格っぽい解法と、どんでん返しとしての真相という部分も きちんとおさえられていてとてもよい。「7人目」の解釈の違いも実にいいと思う。 「いかにも本格っぽい解法」については、特段の難しさはなく、昔から何度も 使われている手法だったので冒頭でだいたいこういう話なのかなというのは 掴めていた。きっかけは鍵の本数だった。が、特にその点は扱われていないらしい。

_ 気に入らなかったのは、自分の道具として都合よく動かすために 他人を乗せて操っているあたり。なんだこいつと思った。


= 神隠し

_ 藤沢周平は久しぶりだ。amazonのカートに入っていて、これ読んだかどうか いまひとつ覚えがないなあということで保留していたもの。図書館で借りて読んでみた。 やはり読んだことがあるらしかった。

_ 「半七捕物帳」と並行で読んだ。やっぱり藤沢周平はいいな。


2012/06/17 (Sun)

_ 会社行く気力もないので普通に休んだ。 駅前でコーヒー飲みながら藤沢周平を読む。贅沢だなあと思った。


= エアコン

_ 今月の始めに寝室にエアコンを入れた。夏場の和室は常に30度を越え、日中は 35度以上まで上がっていたので、これで少しはまともに暮らすことができるだろう。 リビングは無駄に広いのでエアコンが利きづらいし、日中は寝室にエアコンを つけておいて和室を閉めておけば電気代も少しはましになるだろう。

_ と思って2週間、日中も涼しく夜は寒いくらいの日が続いていたのでなかなか 出番がなかった。今日は久しぶりに蒸し暑い一日だったのでようやく活躍。


= 時雨のあと

_ これも読んだか読まないかいまひとつ覚えていなかった。こちらは読んだことが なかったかな。

_ 「神隠し」が予想外の結末や悲惨な結末が多かったのに比べて、 こちらは取り返しのつかないところまで至る一歩手前で踏み留まる話や、 過去取り返しのつかないところに至ってしまった人が人生の終わりに 思いがけず埋めあわせるといった話が多かったように思う。

_ 以前も書いたけど、 何を書くのかではなく、それが読者の心にどのような像を結ぶのかということを 見据えているとしか思えない描写には神がかり的なものを感じる。 こういう作品に以前より深い感動を覚えている自分を見ると、 まずまず順当に年を取っているのかなという気持になる。


= 目覚し時計の話

_ 子供の頃家にあった目覚し時計。アラームはベルと電子音とメロディの3種類を 選ぶことができた。そのメロディが、爽やかでもあり寂しげでもあり、 音色ともマッチしていてとにかく清冽な印象のよい曲だった。 セイコーかシチズンかどっちかの、丸みを帯びて黒いアナログ文字盤の 置き時計だった。

_ 何かのクラシックの曲なのか?と思って検索を試みたこともあったけど 見付からなかった(当時見つかってないと 書いたのはこの曲のこと)。メロディの一部はMMLで採譜できる程度には 覚えているんだけど、イントロと最後はともかく途中がいまひとつ自信がない 感じなので、人力検索系に頼るのもためらわれていた。

_ しかしそろそろ(?)本腰を入れて調べてみようかと思いいろいろ検索してみたところ、 添付ファイルのメロディーって曲名あるのか教えて!を発見。 まさかと思いつつ再生ボタンを押してみたら、まさに自分が知りたかった曲の イントロが流れてきて半泣きになった。記憶とは若干違うけど、間違えようがない。 これの回答を見てみると、

ということらしい。実際に「ラジオの開始・終了音楽」で検索してみると ほぼ完全に一致した曲を聞くことができた。原曲はチェレスタらしい。

_ 30年近くぶりに聞いた。懐しくて泣きそうだ。 どうやら上記の曲はセイコーの目覚し時計に塔載されていたらしい。 ということは家にあったのもセイコーだったのかな。

_ 長年の疑問が解決してとてもうれしい。


= セイコーミュージアム

_ と思いつつ調べてみたら、セイコーの時計博物館があるらしい。 過去の製品とかも展示されているらしいので、 ひょっとしたら現物を見たり聞いたりもできるのかな。東向島ならそう遠くもないし、 一度行ってみたいもんだと思った。


_ 久しぶりにペダルを2時間ちょっと漕いだ。真面目に漕ぐとけっこう疲れる。 f/tさんがエアロバイク買ったと書いていたけど、その商品説明に連続稼働30分とか 書いてあった気がして、そういえばこのペダルエクサさんはそういうの どうなっているんだろうと思った。今まで2時間以上平気で使い続けたりしているが、 特にくたびれる様子もないし、問題ないのかな。

_ 日焼けの跡は、あせももなくなり落ち着いたと思ったら皮が剥けはじめた。 どうやらこの皮膚はすでに死んでいたらしい。皮膚を放棄しなきゃいけないような ダメージを受けていたとは。まったく自覚がなかった。 しかし、痛みでヒリヒリしたり、 皮が剥けたりするような日焼けはもう20年以上したことがなかったので新鮮だ。

_ 今朝ジョンを散歩に連れてゆくときにリードをつけようとした際に噛まれた。 普段は甘噛みしかしないのに、本気で怒ったときは本気で噛むらしい。 当たり前だけど。ただ、途中まで指輪にずっと噛みついていたので、 それはジョンの優しさなのか、たまたま口がひっかかったのかは不明。


2012/06/18 (Mon)

_ 来て早々不愉快な話ばかりですばらしい環境ですね。

_ 横柄な中年や老人を見ててなんだこいついい年して 見苦しいと思うことが多かったが、最近の心境と照らしあわせてみると、 ひょっとしたら不愉快な経験とそれを消化するスピードが釣合わないと 自然にそうなってくるのかもしれない。 最近とにかく些細なことで腹が立ち、それが油断すると態度に出てしまう。 腹が立つところまでは昔からそうだったが、少なくとも もう少し自分の中で制御できていると錯覚できる程度には抑えていたつもり だったので、そんなことを思った。


=

_ 昨日、一昨日と久しぶりに米を喰った。糖質制限をしてから、 麺類、パンはたまに食べるものの、米はまったく食べていなかった。 やっぱり米は最高だーというような感想もないのが意外。

_ そして空腹時のダメージがいつもより厳しかった気がする。 動くのも億劫な感じ。


_ また戦犯扱いか。戦犯扱いにすることが目的ではなく、また能力というよりは向き 不向きを問題にしたいということなのは理解できるが、その場の雰囲気として 特にフォローもなかったので、場の結論としてはやはり戦犯=私ということに 落ち着いたということだろう。やんぬるかな。


2012/06/19 (Tue)

_ 会社で使っているREAL FORCEのスペースキーの音が変になった。 今までより音が高くなって、なんだかFILCOのキーボードみたいな音に。 特に使い勝手に大きな変化はないんだけど、なんだか音を聞くたびに違和感が。

_ 今朝は遅刻気味で駅まで急いでいたところ、後ろ?で自転車で転んだ 女性がいて、介抱(といっても自転車を立たせたり荷物を拾ったりした程度だけど) していたら電車が行ってしまった。急げば間に合ったのかもしれないが 蒸し暑くて走る気にもなれなかったので見送ってマクドへ。


= クドリャフカの順番

_ 前作までと比べると急にボリュームアップ。 一人称が節ごとに変わっていて、各登場人物の視点から事件が少しずつ 見えてくるという構成で、あいかわらず上手いなと思った。 今回は安楽椅子探偵気味? 犯人がこの人以外ありえないというところまで 話が進んだのかしら? という点が読み切れなかった。

_ アニメの方はちっとも見ていないが画像は見たので、登場人物の絵が浮かんできて 読む分には若干邪魔に感じる。パラサイト・イヴのときほどフェータルな問題ではないけども...


= 残像に口紅を

_ で、↑の本を読み終わってしまったので読む本がなくなってしまい (家には借りた本が沢山あるのだが)図書館で借りてきた。読み終わったら感想などをまた書く。


_ FireFoxをバージョンアップしたらスクロールがスムーズになった。 話には聞いていたので驚きはないが、WheelBallと連動させるとスクロールに 慣性がついたようになって辛い。IE6とかを思い出す(最近のIEでもそうなのかも しれないけど使ってないので分からない)。のでOFFにした。


= マギッソ ティーカップ

_ 2通りの置きかたができて、葉っぱの入っているところにお湯が浸るような 傾けかたをして抽出し、反対の方に傾けると抽出が終わるというような運用が 可能らしい。見た目はともかく便利そうだな。洗うのも楽そうだし。 しかしちょっと高い。


2012/06/20 (Wed)


= 台風

_ 夜中に来るとばかり思っていたので20時まで 残業してから移動したらすでに風が強かった。日付変わる前後がピーク だったように思う。2時くらいに目が覚めたときはもう風の音はしていなかった。 今朝は多少風は残っているもののすっかり蒸し暑くなっている。


= 痒みなど

_ 耳はマキロンをやめたら程なく元の症状に戻ったのでワセリンに切り替えた。 今のところ経過は悪くないような気がする。

_ ふとももの痒みはまだ残っているものの痒くなる頻度はだいぶ減って、 範囲もかなり小さくなった。元々痒かった場所のかさかさも 多少はよくなっているように思う。このまま治ってくれるといいんだが... ただ痒みの強度が減ったわけではないので、また何かのきっかけで広がる可能性は あると思う。当分はワセリンで保護を続ける予定。

_ 日焼け→脱皮はほぼひと段落。袖口から破片がぽろぽろ落ちてくる生活を2日ほどしたことに。


2012/06/21 (Thu)

_ 体調悪めなので酒を控えている。頭痛はあいかわらずで、 でも血圧はようやく落ち着いた気がする。


= 皇帝のかぎ煙草入れ

_ これは面白かった。以下ねたばれ注意。(飛ばす)

_ 犯人しか知り得ないことをうっかり漏らしている個所をつきとめる、 ということだけであれば特段目新しくもないが(古典に向けて目新しいというのも 変な話だが)、そこに「暗示」というひねりが加わっていて非常に奥深いものに なっていたと思う。偶然の要素が多い気もするけど、それは目くらましが 強くなっただけで、冒頭に書いたこととは矛盾していないので問題ない。

_ 「探偵役」の心象風景とか過去の苦悩とか、いろいろ思わせぶりな描写があったけど そちらは結局何にもかからなかったような気がする。

_ カー作品は「火刑法廷」以来2作目。 海外の小説を読み慣れていないのと、当時の背景が掴みづらいこともあって 舞台装置の説明を読むのが若干しんどい。


= 最近のErlang

_ Firewallの向こう側とUDPでやりとりしたかったので、TCPでトンネル作って ある程度プロトコルを理解するport forwardingみたいなことをした。 トンネル部分はErlangの分散ノードで済ませておいて、相手のノードで プロセスを起動してリンクさせるというようなやりかた。相手のノードは ソースとバイナリを置いてErlangを上げておくだけ。 まず相手に何をしてほしいのかといったことを記述してデータに落として... といった手間は全部Erlangが面倒を見てくれるのでとても楽だ。

_ 期待通りに動いたがちょっと時間がかかってしまった。 まだまだスキルが足りない。構造はともかく動くところまで、ということであれば 今みたいな時間のかけかたではいかんと思った。

_ それにしてもErlangでネットワークのプログラム書いていると楽しい。 難しい/面倒臭いという印象が強かったネットワークプログラミングを楽しいと 思えるのは素晴しいことだと思う。



= 今日のlibnfc

_ Target modeつづき。だいぶ動くようになった。

_ 以前作ったCard Emulatorにつっこむ。PaSoRi(R/W)にPaSoRi(カード)を かざして決済(もちろんテスト)、が、普通に出来る。2台のPaSoRiをこすり合わせて 喜んでいる様子は幼児か頭のおかしい人みたいに見えないこともない。

_ 以前も書いたが、エミュレータが期待通りに 動いたときの達成感はすごい。 こいつら何の違和感もなく動いているんだ、という全能感(錯覚)。

_ 上記の環境ではPollingは最初からFeliCaのものしかしていないので、 以前書いたような問題は発生せずかなり 安定して利用できる。が、Androidだとあいかわらずだめだ。その後、 RC-S620/Sのコマンドリファレンスを見たり、 NFCIP-1の仕様書を見たり(今更)したんだけど、Mifareの方で反応させないという 方法が分からないままだ。

_ また、TgInitAsTargetの作りから、呼び出し前にIDmを 決めておかなければいけないという問題もある。なので、 複数システムを持っているカードなどで、システムコードによって返事をするIDmを 変えたいといったようなことは実現できない(そもそもどのシステムコードで ポーリングが来たのかをTarget側が知ることはできないような)。 こだわらなくてもいい個所かもしれないが、Card Emulationはそこそこ真面目に 作ったので、真面目に動作させようとするとこのあたりで不整合が発生する。 Emulation側を不真面目にすればだいたい解決はする(けどもやりたくない)。



= Windows Phone 8

_ 触ってみたい。ネイティブアプリも組んでみたいしNFCの使い勝手も見てみたい。 AndroidだとNfcService経由でしか触れないので細かい制御が大変だし 今できていることが今後できなくなるというような不安が常にある。


2012/06/25 (Mon)

_ おつまみの人の迷いのないキッチンドランカーぶりを 見ていたらたまらなくなり、昨日は久しぶりにたくさん飲んだ。 今日は頭痛があるが仕方がない。


= 今日のNFC

_ 以前の対応をあらためてICSで検証。 問題なさそう。

_ NDEF Pushを試してみた。うまくいかない。nfcpyのnpp-test-serverをベースにした コードで動かしているんだがデータが流れてこない。いろいろ試したところ、 snep-test-server なら問題なく動くようなので、こちらに移植が必要かなと思う。

_ なお、npp-test-server だと Android側で下記のようなログになっている:

06-25 18:16:24.797: I/NfcP2pLinkManager(15345): Failed to connect over SNEP, trying NPP
06-25 18:16:24.797: D/NdefPushClient(15345): about to create socket
06-25 18:16:24.797: D/NdefPushClient(15345): about to connect to service com.android.npp
06-25 18:16:24.797: E/NFC JNI(15345): phLibNfc_Llcp_ConnectByUri() returned 0x0011[NFCSTATUS_INVALID_STATE]
06-25 18:16:24.797: E/NdefPushClient(15345): couldn't send tag
SNEP→NPPにフォールバックするのは認識の通りであるが、 そのNPPで失敗しているらしい。まあSNEPでできるならいいのかなあと思いつつ、 でもそれだと2.3系で動かないかもしれない。

_ なお、Android Beamを有効にしないとこのへんは動かないようだ。 なんか画面が縮小された状態でタップすると実際にPushされるらしい。


_ 帰りの電車に乗りこんだ直後から強烈な頭痛。本も読めないし眠れないし じっと耐えるしかなかった。

_ 電車を降りる頃には痛みは半減していたが痛いことには変わりないので 久しぶりに薬を飲む。


2012/06/26 (Tue)

_ 頭痛薬を飲んでさっさと寝たら頭痛はおさまった。今日はさっさと帰って 安静にしておくつもりだ。


= 今日のNFC

_ Target Modeつづき。わかったりわからなかったり。

_ 現時点のまとめ:

_ 最終的に使いたいのは後者のほうなんだけど、RC-S620/Sコマンドリファレンスだと 前者の話しかしていないので、 ひとまず前者について取り組んでみる。ATR_REQが来るならATR_RES 返さないとね、ということでTgSetGeneralBytesでATR_RESを返そうとすると Syntax Errorになってしまう。じゃあもうATR_RES返信済なのか?と思い TgGetDEPDataしてみるとStatus = 0x29 (Target Released) になってしまう。 わけがわからん。そもそもATR_REQを自前でどうにかすることとActive/Passiveが なんで連動するのかもよくわからん。

_ いったんNFCIP-1の勉強をやりなおす必要がありそうだ。 (6366.Connecting to Android.pdfとか、当初はちんぷんかんぷんだったのだけど) 試行錯誤の経過である程度読めるようになったので少しは結果が変わるかもしれない。

_ 一方後者は... やっぱり 0x22が飛んでくるまで辛抱強く待つしかないのか? PN53x だと要求のパラメータ内に Passive Onlyというフラグがあるのは これのためなのでは? と思えてくるのだが、RC-S370だとどちらを指定しても 動きは変わらないように見える。

_ どうもPN533とRC-S620/Sのコマンドリファレンスを見つつRC-S360をいじるだけでは 限界が見えてきたように思う。 ここらでPN53xが乗ってるR/Wでも動きを試してみたい。確か「ぴタッチ」は PN53xが乗っていた気がする。531だったっけ?

_ libnfc, nfcpy以外に参考になりそうなソース:

そういえばJSR 257ってその後どうなったんだろう。


2012/06/28 (Thu)

_ 時事ねたをいくつか


= アップルの「ウイルスフリー」主張

_ これを思い出した。 サイトがなくなっているのでWebArchiveのキャッシュを貼っておく。 表題のものは、MacOSXにはWindows向けのウィルスは感染しないという主張らしいので まあそりゃそうだよね、という話なので、このサイトの主張とはあんまり関係ないんだけど。


= 生活保護不正受給の話

_ 当初から一貫して抱いているのは追求している人達に対する 「なんでこの人達なの」という疑問というか違和感だった。 本質とは関係ない話なのだけど。

_ 生活保護というと思い出すのは県営住宅に住んでいた頃の隣人のことだ。 娘が3人いて、真ん中の娘と兄が同級生だったと思う。で、 兄の友人である別の同級生が、なんであいつ(隣人の娘)の給食費の袋には 赤い線が入っているのか?という素朴なのか悪意を持ってなのかは分からんが そういう質問をしたというようなエピソードが、食後の団欒だったかで話題になった。 その当時はよく分かっていなかったが、隣人は生活保護受給者で、 給食費の袋に引かれた線はそれを示すマークだったらしい。

_ 特に不自由な暮らし向きには見えなかった上に、 本来県営住宅では店舗を構えてはいけないらしいのに、 商売(マッサージ)を自宅でしている、といったあたりの 状況もあり、うちの両親は隣家の親を蛇蝎のように嫌っていた。 前段落のようなエピソードも、おそらく「不正受給」という頭があって、 子供にそんな惨めな思いをさせて...という感情があったのだろうが、 怒りをあらわにしていたのを思い出す。

_ もっとも上記は両親の思い込みや私の勝手な想像が含まれているので、 真相はよくわからない。


= 給食費

_ なにげなく書いたが当時は給食費は封筒に入れて生徒が先生に手渡ししていた。 学園もののドラマやマンガなどではそれがなくなったとか盗まれただとかいう エピソードがよく出てきたものだ。今でもそうなのかな?払わない親がいるとかで 問題になっているところを見るとまだそうなのかもしれない。



= 最近のErlang

_ 先日のCコードはC#のコードを移植したものだった。 今度は同じコードをErlangに移植。Cに比べれば圧倒的に楽ちん。 バイナリデータと暗号というあたりの分野の話なので当然と言えば当然だが、 オリジナルのC#のコードよりも見通しがよいと思う。

_ 2日がかりでCに移植したコードと同等なものが2時間ほどで完成した。 まあCで苦労したばかりなのでまだ記憶が新鮮だったという有利な条件もあったけど。

_ Erlangでのコーディングは、アルゴリズムの実装についてはあまり澱みなく 書けるものの、構造をどうするかという点ではあいかわらず 悩みごとが多い。


2012/06/30 (Sat)


= 毒入りチョコレート事件

_ 愚者のエンドロールがこの作品のオマージュだと いうことなので借りてみた。 かなり面白かった。

_ 以下ねたばれ注意(飛ばす)。

_ 迷宮入りしそうな難事件を6人で「推理合戦」で解決しようという話。 1日に一人ずつ推理の結果を披露して...という流れで、1日ごとに 「新しい事実」が出てきてより「真相」と思われるものに近づいてゆくというものなので、 最初の説明だけ読めば犯人が分かりますといった体裁にはなっていない。

_ どう考えたって6人目かそれ以降が正解なんだろう。 その「正解」が他にありえないという説得力を持って提示されるのだろうか、 という期待と不安を抱きつつ読み進めるわけだが、 5人目まで行ったところで、ああそういう話か、と気付く構成になっている。 本文中の表現を借りるなら 「解放型=外部の犯行の可能性があり犯人を絞り込めない」 犯罪のように見せておいて、「新しい事実」を小出しにして...身近にいる犯人の存在を 巧みに隠していると思う。よくできている。


= 探偵映画

_ これも「愚者のエンドロール」で紹介されていた本。 我孫子武丸は「殺戮にいたる病」以来2冊目だ。 「殺戮〜」は確かに驚かされたものの読後の印象はあまりよくなかったのに 比べ、こちらは面白かった。強烈などんでん返しがあったわけではなく 小粒なのかもしれないが、ああ、そういうことか、と腑に落ちる感覚があって 好ましい。


= 大盗禅師

_ 異様に面白かった。司馬遼太郎の作品として心得ている内容とはずいぶん違っていて 予想外の面白さだった。

_ 同時期に「坂の上の雲」を執筆しており、そちらが膨大な資料を元に緻密な 作業で進めていた反動なのか、こちらは「幻想歴史小説」と紹介されている通り 妖術や超常現象が出てきたり、 著者の想像力が炸裂している感じでとにかく面白かった。 過去に読んできた司馬作品の中で一番面白かったと言ってもよいかもしれない (それまでは「最後の将軍」がトップだったので、単に記憶力が乏しくて 最後に読んだものが一番面白かっただけという話なのかもしれないけど)。 著者本人は不満があったのか全集にも収録されていない作品らしい。

_ 「半七捕物帳」で由比正雪の話が出てきて、誰だそれ、と思って調べてみた結果 借りた本。浦安仙八という浪人が 由比正雪と鄭成功という同時代の人物の間を渡り歩きながら、 江戸時代初期の混乱と、明→清直後の混乱を描いてゆくというスケールの 大きい小説だった。

_ ただ、かなり想像力豊かな感じなのでどこまでが史実でどこからが虚構なのかが よくわからない。鄭成功のほうはともかく、由比正雪の起こした 謀反の顛末も尻切れな感じで、小説としては面白かったんだけど、 もうちょっと別の資料をあたってからまた読み直したいと思った。 「正雪記」(山本周五郎)を借りているので、そちらで補完する予定。

_ なお、司馬遼太郎の作品というとどうしても登場人物の生き方に感化されて云々 (と、それにひきかえ最近の若者は...)という話になりがちで辟易としてしまい、 今となってはその感情は若干の反感をと言える程度に育ってきている。 この本の巻末にもそういった「解説」ともつかない文章(解説は解説であるのだけど、 その前に別の作家の文章が挟まれていて)でそういった文脈での話が出てきており、 反感を差し置いても的外れだろうと思ってしまうような内容だった。


= 白き瓶

_ 藤沢周平作品の中で手が伸びていなかったいくつかの本のうちの一つ。 歌人の長塚節の一生を描いている。 「一茶」が、一茶自身の無茶苦茶な性格のせいもあって小説としての面白味が 強く出ていたのに対して、こちらは小説としての面白さを犠牲にしても 研究の性格を強く出したいという姿勢を感じた。

_ 家のこと、自身の健康、同人の間で繰返し起こる問題... 隙のない苦悩に彩られた人生というほかなく、希望の薄い、読んでいてなかなか 辛い内容だ。日本の文学史や詩歌にほとんど興味がないというのも大きなハンデだった。

_ 小説として見るなら、 伊藤左千夫の方が ずっと魅力的な題材だと思う。独善的とも言える批判で 節や弟子と激しくやりあったり、人間関係を壊したり、持て余されたり、 それでも誰もが認める歌や小説を作り、 それでいて日本語が怪しいと揶揄されたり、 困窮しているのに茶室作ったり、友人を騙して金を借りたり、 山ほど子供を作ったり、とにかく無茶苦茶だ。 節の人生とのコントラストが鮮やかで、それでいてどちらも深い苦悩を 抱えて短命で逝くというあたりのやりきれなさがある。 そういったやりきれなさを、解説の人は 「骨の折れる」面白さだという表現を使っていて、 うまい例えだと思った。

_ 付録として、解説の人と藤沢周平の往復書簡が掲載されている。 藤沢周平の人柄が出ている暖かい文面で、本当に素晴しい。



= 名場面集

_ 気付けば2012年も前半が終わってしまった。通例通り名場面集をまとめる。

_ 以下はまとまりのないまとめ。

_ PCいじりは、Erlangへの親愛の情は変わっていない。 あと、意識してPythonを使うようにしている。

_ 通勤時間はほとんど読書にあてているので本の消化量はあいかわらず多い。 特に印象に残ったのは、

ベストは「浅草弾左衛門」だ。

_ 今月あたりから少しずつNFCいじりを復活させている。今年の後半はこれに 明け暮れることになりそう。

_ 仕事の方はあいかわらず不愉快なことが多い。未だに誰もテムレイに引導を 渡していないのでついに破滅の道に進み出しているという感じがする。 例によってその取り返しのつかない地点に進む瞬間の段階では対岸の火事で、 のっぴきならなくなってから巻き込まれるのでたまらない。 もっとも、毎回似たようなことで腹を立てたり悩んだり暗躍したりして成長の 跡が見られないというほうが問題だ。

_ 体調はすっきりとしない日があいかわらず多いけど、そういえば春〜梅雨にかけては 昔からどうも体調が悪かった気がする。毎日微熱だったり。




Zinnia (zinnia@risky-safety.org)
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