年に数回、神奈川に帰省しております。 最初のうちは新幹線使っていたんですが、しまいにその単調さと かかる金に不信感を覚えた僕は、いっちょ在来線を使ってみるかーと 思うようになりました。
新幹線なら米沢⇔上野で2時間ちょっと、寄り道 (例: ぷらっとホーム)(←地名で言えよ)を含めると 全行程で6時間というところですが、 在来線を使うと12時間になります(0719の電車で出発して、 19時くらいに実家につきます)。
96年9月、帰省から戻るときに初めて在来線を使いました。 上野を1245に出ると、米沢には19時ちょうどに着きます。 8時間も移動に使ってるとさぞ退屈だろうと覚悟していましたが、 これがまた楽しいのでした。音楽聞きながらぼーっと流れる景色をただ 眺めるだけの時間...なんてすばらしい。
そんなことがあって在来線の旅にすっかり味をしめた僕は、 わざわざ旅をつまらなくするために倍も金払うのは馬鹿馬鹿しくなり、 新幹線を使うのはやめました。
在来線の帰省も4回目を迎えた97年4月26日、行程の 半分を過ぎたあたりで停車した駅のホームで目を 見張る光景を目撃しました。
なんだこのホームは!?(とにかく入ってみようぜー←どこにだ)、
花といえば桜とチューリップくらいしか知らない僕には、
それが何の花なのかは分かりませんでしたが、
一面に真赤な花を咲かせた、背はそれほど高くない木、
それが百メートルくらいにわたってずらーっと並んでいました。
今まで見たこともない
美しい色でした。
1年後の98年5月、頭痛でちょっとおかしくなった頭の中に、 ふと「去年見たあの花がまた見たい」というvisionが... visionの命令じゃしょうがないので見に行くことにしました。
駅名なんて覚えていないし、それがどこらへんの駅なのかも 覚えていません。ただ、宇都宮よりも南ということはなかったはず、 ということで買ったばかりのDS-10Sを携えて、宇都宮までの切符を買い出発。
5月も中旬を過ぎていたので、どうも目的の花はほとんど落ちてしまっているようです。 宇都宮までの行程で、 似たような木がたくさんある駅は、どうやら 宇都宮線(宇都宮⇔黒磯)の、蒲須坂⇔片岡⇔矢板、といったあたりだということが 分かりました。
というわけですぐにひきかえします。本命はどうやら片岡のようです。が、 どっちにしても花は落ちているので来年また来ればいいや、と思い、 手前の蒲須坂で降りることにしました。
そこで2時間ほどうろうろしたり、ねそべったりしていたのですが、 近くの家で庭の手入れをしているおじいさんに、この美しい花の正体が 「ヤマツツジ」だということを教わりました。
駅員さんに話を聞いてみると、このヤマツツジ、だいたい5月の連休あたりが 絶頂で、1週間くらいで散ってしまうそうです。来年は連休にぜひ!! と決めて 米沢に戻りました。
翌年、宇都宮駅に電話して片岡駅の番号を教えてもらい、片岡駅に電話。 宇都宮駅のひとになんで番号知りたいの?と聞かれたので事情を話すと 「ああツツジかー、電車のことはこっちでも分かるけどツツジは 分からんなーガハハ」と和やかに話してみたり。 今がばっちりだと片岡駅の駅員さんに教えてもらい数日後に出発。 実は帰省の往路なのでした。
しかし...僕の記憶の中の鮮やかさとはほど遠い、薄い赤色をした 花たちが。どうも旬の時期は過ぎてしまったようです。
その後、毎年この時期になると片岡周辺に立寄ることにしていますが、 今年になってようやく、絶頂の時期に再会することができました。
ではその写真を...次回までに準備しときます(汗) しかしあらためて見てみるとツツジってけっこうあちこちにあるもんですね。 路傍の花に目を向ける余裕がなかったということでせうか。